こんにちは!るばりんです。
相変わらず本業ではベンチャー企業のビジネス側の責任者をしています。
実際にベンチャーで働いている目線でリアルな話をかければと思います。
今回は、ストックオプションに関して。
なかなかベンチャー企業に勤めたことがない人は、ストックオプションに疑問を持つ方が多いかと思います。
この記事では、下記のような疑問にお答えします。
・ストックオプションは実際のところどれくらい貰えるの?
・ストックオプションを貰ったら給料は下がるのか?
・ストックオプションをもらった後に転職したらどうなるのか?
・実際にストックオプションをもらうと、どれくらい儲かるのか?
・ベンチャーに転職する前に、資本政策について勉強しましょう
それでは行きましょう。
ベンチャーに転職するときのストックオプションの真実
実際のところの話をすると、ストックオプションを貰えたからといって確実に儲かるわけではありません。
当たり前かもしれませんが、ストックオプションを貰ってもそれをお金に変えられなければ意味がありません。
特にベンチャーの場合は未上場の場合が多く、会社自体がEXIT(エグジット)しないと意味がありません。
EXITとは、上場や買収など、そのベンチャー企業の株が換金できる状態になることを言います。エンジェルやベンチャーキャピタルなどの投資家はこのEXITを目指しており、投資に対してEXIT時のリターンが何倍になるか?ということが、成果になります。
従業員で株やストックオプションを持っている場合も同様になり、EXITすることにより所持しているストックオプションの権利が行使できる状態になります(それ以外にも会社によって、行使条件があるのでしっかりと中身はチェックしておきましょう)
そのための必要条件として、ベンチャー企業の業績が急速に成長することが求められます。
ストックオプションはもらえるとしても多くて数%
現時点の一般論ですが、日本の場合は1つのベンチャー企業の全体のストックオプションの発行は、10〜15%程度が上限になります。この範囲で継続的に優秀な人材を採用する必要があります。
ベンチャーのかなり創業期で、社員が数人しかいないときに入社したケースだと、ストックオプションが数%付与されるということもありますが、それは稀なケースで、一般的には1%未満の付与になることがほとんどです。
創業のフェーズや、あなた自身の貢献できる度合い、カルチャーフィットなど、複数の要素が複雑に絡み合うので、状況に応じて相談・交渉する必要があります。場合によっては大目に貰える可能性もあります。
入社後にストックオプションが付与される場合も
また、入社時にストックオプションが付与されず、入社後に業績や資本政策の状況に応じてストックオプションが従業員に支払われるというケースも往々にしてあります。あくまで、あなたがどれくらいその会社の成長に貢献できたか?という部分が重要になってきます。
あまり貢献度が高くない人に対しては、ストックオプションの付与も難しくなるのは言わずもがなです。
実際にストックオプションをうまくもらうと億万長者になれる
例えば1%付与された場合、時価総額が万が一1000億円を超えるユニコーンになった場合は10億円相当になります。状況によってはかなりの金額になる可能性があります。
メルカリのように、35名が6億円以上の資産になるケースも出てきています。
どの船に乗るのか、そしてその会社を成長させられるかどうかも、当人の実力次第で大きく状況は変わってくるので、正直自分次第とも言えるかと思います。
いくつかのベンチャー企業にストックオプションの比率などについてアンケートをとった以下の記事が参考になりますので、見てみてください↓
https://www.fastgrow.jp/articles/stock-option-22
ストックオプションは万能ではない
ストックオプションが貰える場合は給料は下がる
一般的には下がります。
ここは明確で、ストックオプションを出すことで、給料を抑えながら優秀な人材を獲得するということが、特に初期段階で資金繰りが厳しいベンチャーでは重要だからです。
単純に所得を上げたいと思う人にとっては、ベンチャー企業で一発当てたいというのは避けた方がいいでしょう。
例外は、創業期のベンチャーでなく、メガベンチャーと言われる企業です。かなり事業規模が大きくなっているにもかかわらず急成長と遂げているので、どちらかというとお金で人を雇っている会社に関しては、株ではなく給料で人を雇っている場合があります。
一方、単にサラリーマンをやっているだけだと、貰える今後の給料もだいたい想像がついてしまいますし、大きく何か儲けるという可能性もありません。
リスクをどこまで許容できるのかにもよりますが、「あなたが何を目指したいのか?」ということを真剣に考えて選択するべきかと思います。
ストックオプションもらった後あとに転職したら権利はなくなる
通常退職をするとストックオプションは無くなります(会社との契約次第なので例外はあるかも)
なので、給料を低くしてストックオプションを貰い退職してしまうと、金銭的にはデメリットが大きいことになります。
ストックオプションを貰って転職するときは、本当にこの会社、このサービスを成長させてやるんだ!!という強い意志とコミットメントをもとにやるべきです。
数年でジョブホッパー的に勤める場合は正直向いていないと思います(ジョブホッパーが悪いという意味ではありません)
ベンチャーに転職する前にストックオプションについて勉強しよう
幸い、ベンチャーのファイナンスに関しては、書籍など重要な情報も日本語で出揃ってきているので、転職活動をする前にきちんと勉強してから挑んだ方がいいです。
ベンチャーファイナンスに詳しい書籍はこれです。ベンチャーの携わる人なら必ずといっていいほど読んでいる本になります。熟読をおすすめします。
構造も仕組みもわからないまま交渉などしても、知っている人が有利になりますし、あとから「こんなはずじゃなかった」となる可能性が高くなるので、ぜひ気をつけてくださいね。
本当に1発当てたいなら自分で起業しよう
「貰えるストックオプションが思ったより少ない!これじゃやる気でない!」と思った人は多いのではないでしょうか?
かくいう私もそう思っている1人です。
その場合の解決策は、自分で起業することです。これしかありません。
ただ自分で起業するということは、多くの苦難を自分自身で受け入れる必要があります。それを覚悟できるのであれば、起業をお勧めします。
とはいえ、ベンチャーへの転職は、実はリスクを起業ほど取ることもなく、かつもしEXITしたらある程度儲けることができる、いいとこ取りなんですよね。あとは起業の準備としても最適です。
ベンチャー転職で後悔しないようにするためには、下記の記事も参考にしてみてください。

以上、今回はベンチャーに転職する際にストックオプションって実際どうなのか?ということについて書いてみました。
ベンチャー転職について、ほかの記事でも色々書いていきますね。
ではでは!
るばりん